看護師長が知っておきたい【労務管理】

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看護師長のスキル

こんにちは、ふみです。

ふみ
ふみ

わたしは、看護師長として12年間、副看護部長として6年間、働いてきました。

今は、看護部長3年目です。

看護師長の大きな役割のひとつに勤務表の作成があります。

安全で質を担保した看護を実践するために、スタッフを割り当てる勤務表作成は重要です。

ふみ
ふみ

でも、勤務表の作成って、

スタッフの希望や生活背景を考えていると、

すごく大変な業務ではありませんか。

そして、月に1回はすぐに回ってきて、権利を主張する強いスタッフに悩まされます。

今回は、看護師長が知っておきたい労務管理についてまとめました。

根拠となる法律や規則を知ることで、スタッフにちゃんと説明することができます。

「ダメなものはダメ」では、スタッフも看護師長に反感するばかりです。

「気持ちはわかるけど、このような理由で認められないの」と、説明すれば、

むくれるかもしれませんが、理解はしてくれるのではないでしょうか。

労務管理ってなに

労務管理とは、経営において賃金・労働時間などの労働条件一般や、福利厚生、労使関係など従業員に対する集団的な管理を行うことをいう

日本看護管理学会 学術活動推進委員会編集 看護管理用語集 第3版

スタッフが安心して仕事に打ち込める環境づくりです。

・労働時間を管理してしっかり休める

・お給料がきちんと出ている

・業務上の危険から看護職を守る

・出産や育児をしながらも働き続けられる

労務管理に必須な労働関連の法律

時間管理は【労働基準法】

①労働基準法では、法定労働時間は、1週40時間以下、1日8時間以下と、上限が定められている。

②法律的には、法定労働時間を超えた分が、時間外勤務となる。

③協定を結ばなければ時間外勤務はできない。

 労働基準法第36条に基づく労使協定(36(サブロク)協定)の締結

 「法定労働時間」を超えて働くので、割増賃金が発生する。

健康的な労働環境の確保と労働者の健康向上には【労働安全衛生法】

次回のブログで詳細を紹介する予定です。

育児や介護のための【育児・介護休業法】

下記で詳しく説明します。

2018年6月に【働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律】

長時間労働の是正、正規・非正規の格差解消、多様な働き方の実現。

病院のルール「就業規則」

どの病院にも「就業規則」があると思います。

就業規則は、「労働基準法」「労働契約法」「労働協約」の規定の範囲内で決まっていますので、

病院が勝手に決めているわけではありません。

過去の判例から、就業規則に従うべき法的根拠が示され、就業規則には従わなければなりません。

ふみ
ふみ

自分の病院の就業規則にはどんなことが決められているか、

確認してみましょう。

看護師長の労務管理 実践編

時間外労働

時間外労働には上限がある

働き方改革 「時間外労働の上限規制」

時間外労働(休日労働は含まず)の上限は、原則として、月45時間・年360時間となり、

臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできなくなります。

臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、

  • 時間外労働 ・・・年720時間以内
  • 時間外労働+休日労働 ・・・月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内
  • 原則である月45時間を超えることができるのは、年6か月まで

時間外の仕事は、すべて時間外勤務というわけでもない

時間外勤務の条件は、「労働時間であるかどうか」。

労働時間は、過去の判例などから一般的には、

「労働者が使用者との間で締結した労働契約に基づき、使用者の指揮命令下に置かれる時間」

と考えられます。

ふみ
ふみ

看護師長がスタッフに残業を指示し、

看護師長の管理下でそのスタッフが業務を行っている場合」

は時間外勤務です。

もう一度、自病院の「就業規則」の「時間外勤務」を確認してみましょう。

看護師長の命令や指示がなく、勝手に仕事をしている場合は、時間外労働にはなりません。

ふみ
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でも、そのときに、

何ら制止をしない場合は、黙認となります。

また、仕事が時間内で終了しないような業務量が過大の場合は、

「暗黙の指示による労働時間」となります。

勤務時間内に、スタッフが抱えている業務量を把握し、

終わらなさそうなスタッフがいたら、他のスタッフに支援を求めるなど、

看護師長として業務調整が必要です。

業務終了後の研修や委員会は、看護管理者の指示があるかどうか

研修が自由参加であれば、時間外勤務にはなりません。

委員会活動は、委員会に出席するのは、指示であり業務ですが、

会議ではなく活動の場合は、報告してもらい、

看護師長が、時間外勤務として指示をだすか、判断する必要があります。

始業前の業務は要注意

始業前も就業後と同じです。

勤務開始時間前に、カルテの確認や点滴の準備などの業務を行っていませんか。

もともとスタッフが自発的に始めたことでも、

看護師長が黙認していると、必要な業務として時間外勤務と判断されます。

対策は、勤務の開始・終了を明確にし、変形労働時間制を活用する

時間管理を行ううえで、看護師長がまずすべきことは

「勤務の開始・終了を明確にする」ことです。

ふみ
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業務終了時は、「今日の日勤はここまで」と、

終了宣言をしましょう。

スタッフが残る必要がある場合は、その業務内容とかかる時間を確認し、

「では、その仕事を何時までお願いします。」と指示します。

あるいは、夜勤者にお願いできる内容でしたら、夜勤者に依頼します。

どこまでが勤務とみなされるのかをはっきりさせる職場風土と、

時間外勤務を行う場合は、スタッフに感謝し、その気持ちを伝えましょう。

「変形労働時間制」とは、総労働時間は増やさず、

1日や1週間の労働時間を長くしたり短くしたりして、

業務の繁閑にあう労働時間を設定する制度です。

例えば、手術や入院が多い曜日は10時間勤務にし、

落ち着いてる曜日は6時間にするなどです。

夜勤時間は12時間で、その分を長日勤で10時間働くシフトにしている病院もあります。

休憩時間は与えなければならないと法律で定められている

労働基準法の第34条で、労働時間が

  • 6時間を超え8時間以下の場合は少なくとも45分
  • 8時間を超える場合は、少なくとも1時間

の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない

と定められています。

ふみ
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でも、

「休憩時間を分割してはいけない」とはなっていませんので、

分割しても問題ないと解釈できます。

お昼休憩が十分となれなかったら、

午後の落ち着いたときに、残りの時間を休憩するのもありだと思います。

休憩時間の注意点としては、

労働時間の途中に与えなければならないということで、

休憩なしの早帰りや遅出はできません。

休日・有給休暇

休みには「休日」と「休暇」があります。

  • 休日とは、労働契約によって定められた「労働義務のない日」で、法律で定められた休日を「法定休日」といいます。
  • 休暇とは、「労働義務のある日」を休むことです。

休暇には有給休暇や生理休暇のような「法定休暇」と、

慶弔休暇のように病院が任意で決めた休暇があります。

法定休日は日曜日とは限らない

労働基準法第35条では、

使用者は、労働者に毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。

ただし、4週間の間に4日以上の休日がある場合については、この週休1日原則は適用されません。

法律では、「休日は日曜日」とは書かれていません。

例えば、日曜日が休日となっている外来スタッフに、

日曜日に勤務してもらう場合は、

事前に、日曜日からほかの曜日に休日を変更しておけば、

日曜日に勤務させても休日勤務とはなりません。

有給休暇は請求されれば与えなければならない

有給休暇については、労働基準法第39条に定められています。

使用者は、その雇入れの日から起算して

6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、

継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えられなければならない。

スタッフが望む日付に有給休暇を取得させる必要があります。

有給休暇の時季変更権はあるが、行使は難しい

5項:使用者は、

前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。

ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが

事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

時季変更をすることは可能ですが、「事業の正常な運営を妨げる場合」とは、

休暇をとると他のスタッフの業務にも多大な影響がある状況です。

業務が多忙という理由ではなく、

例えば同じ日に多くのスタッフが同時に休暇を指定した場合などです。

その人が有給休暇をとることで事業継続がままならない事態になるとは考えられず、

時季変更権の行使は難しいと思います。

ふみ
ふみ

退職希望者から、残っている全有給休暇の取得を請求されたら、

受けざるを得ないです。

退職前の有給休暇の大量消化を回避するには、

毎月1日ずつでも取得するなど、計画的に付与していくしかありません。

年5日の有給休暇は確実に取得

7項:使用者は、

有給休暇の日数が10労働日以上である有給休暇の日数のうち5日については、

基準日から1年以内の期間に労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。

2019年4月から、全ての企業において、

年10日以上の年次有給休暇が付与されるスタッフ(管理者も)に対して、

年次有給休暇の日数のうち年5日については、

使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。

妊産婦・子育て支援

たくさんある妊産婦保護策

労働基準法:

産前は、請求はあれば6週間産後は8週間仕事をさせてはならない。

(ただし、産後6週間後、本人が望み医師が認めれば就業可能)

請求があれば、軽易な業務に転換させなければならない。

請求があれば、時間外勤務・休日勤務・深夜勤務をさせてはならない。

男女雇用機会均等法:

健診を受けられる時間を確保しなければならない。

妊娠の報告をうけたとき

本人と相談したうえで、スタッフへの公表のタイミングを決めます。

スタッフへは、看護師長から「おめでとう」の気持ちと

「みんな協力してね」のメッセージを添えて公表します。

支援内容は、本人と相談し副看護師長やチームリーダーの意見も参考に。

精神的な支援は、本人が信頼しているスタッフや出産経験者へ、看護師長が直接依頼します。

そのときは、看護師長がスタッフに感謝を言葉で伝えます。

本人からも、スタッフの支援に対する感謝の言葉と態度を伝えるように促します。

事務部門と連携し、利用できる制度について説明してもらいます。

妊娠中

健康管理の支援:時差出勤や通勤方法等の配慮。定期健康診査のための勤務調整。

身体面での支援:休憩時間や回数の調整。業務内容の調整。

深夜勤務(22時から5時)免除については、

本人の希望とスタッフの負担のバランスをとりながら対応。

気兼ねなく、休憩ができる環境づくり。

産前休暇に入る前

体調管理を行いながら働き続けたことに対して、労いと感謝を伝えます。

協力してくれたスタッフにも感謝を伝え、無事に産休を迎えられたことをともに喜びましょう。

休業制度の目的を説明し、育休の計画や復帰後の勤務について本人の希望を把握して

看護部に報告してくれると助かります。

出産後落ち着いたら、連絡を依頼し、復帰前には看護部長に面談を申し入れるように助言します。

※出産とは、健康保険では妊娠4か月(85日)以上を経過した後の、

生産、死産、人工妊娠中絶をいいます。

よって、妊娠4か月以降の流産や人工妊娠中絶の場合は、産後休暇の対象です。

子育て支援

子育て支援に関する法律は「育児・介護休業法」です。

2019年には「育児・介護休業法施行規則」も改正され、さらに支援が強化されています。

病院によって期間が異なる場合もあるので、自病院の就業規則を確認してください。

現場に関連する子育て支援

育児休業は、職場に申し出ることにより最長2歳まで延長ができます。

また、育児休業の分割取得ができます。

第16条の2:子の看護休暇は、時間単位で、子ども一人につき年5日まで、

二人以上であれば10日を限度に取得できる。

第23条1項・施行規則第72条:3歳未満の子どもがいる人から請求があれば、

1日6時間の短時間勤務制度を設けること。申し出があって与えるもの。

産後パパ育休

2022年10月1日から、従来の育休とは別の制度です。

これは、子の出生後8週間以内に4週まで取得でき、2回に分けて取得することも可能です。

https://www.mhlw.go.jp/content/11911000/000977789.pdf
育児期間の夜勤

育児・介護休業法第19条第1項に「深夜業の制限」があります。

事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が、

その子を養育するために請求した場合においては、

事業の正常な運営を妨げる場合を除き、

午後10時から午前5時までの間(以下「深夜」といいます。)において労働させてはなりません。

○ ただし、次のような労働者は請求できません。

  1. その事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者
  2. 深夜においてその子を常態として保育できる同居の家族がいる労働者
  3. 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
  4. 所定労働時間の全部が深夜にある労働者

「深夜においてその子を常態として保育できる同居の家族」とは、

16 歳以上の同居の家族であって、

  1. 深夜に就業していないこと(深夜における就業日数が1か月について3日以下の場合を含みます。)。
  2. 負傷、疾病等により子の保育が困難な状態でないこと。
  3. 6週間(多胎妊娠の場合は 14 週間)以内に出産する予定であるか、又は産後8週間を経過しない者でないこと。

  のいずれにも該当する者をいいます(則第 60 条)。

小学校就学前の子どもがいる人から請求があれば、

深夜(午後10時から午前5時)に仕事をさせてはいけないと定められています。

ふみ
ふみ

深夜に子どもの面倒をみることができる同居の家族がいる場合には、

この深夜業の免除にはあたりません。

請求があったら、このことを確認してみましょう。

また、夜勤帯すべてを免除する必要はありません。

午後10時まで、朝5時からの勤務は可能です。

ワークライフバランスへのきめ細やかな配慮とお互いさま

ワークライフバランスでは、すべてのスタッフが支援対象です。

ライフイベントは出産・育児だけではなく、

介護や看病、自分自身の病気に対する治療を抱えているスタッフなど、

それぞれの背景に沿った配慮が求められます。

お互いに働き続けるために、助け合うことを意識してもらいます。

支援を受けるスタッフには、周囲に対する感謝の気持ちが持ているように働きかけます。

看護師長から声をかけて、スタッフ間で不公平感が大きくならないよう配慮が必要です。

ふみ
ふみ

看護師長自ら、

スタッフへ「お互いさま」の気持ちが大切であることを発信していきましょう。

管理者には時間外手当がつかない

最後に余談ですが

看護師長などの管理者になると、時間外手当がつかなくなります。

労働基準法第41条第2号では、

「管理監督者」は「監督若しくは管理の地位にある者」と定義され、

労働時間・休憩・休日の規定が適用されず、

時間外・休日労働の割増賃金を支払う義務はないとされています。

管理監督者とは、厚生労働省からの通達をまとめると

  • 労働時間に関係なく働かなければならない、重要な職務と責任をもっている
  • そのうえで現実の勤務も、労働時間などの規制になじまないような立場にある
  • 役職の名前だけではなく、現実の責任と権限をもっている
  • 管理監督者にふさわしい待遇を与えられている
ふみ
ふみ

看護師長のあなたは、

まさにこの「管理監督者」の要件にあてはまっていますか。

ちなみに、わたしの勤務先では、

看護師長から看護部長までは、職位に応じた役職手当がついています。

まとめ

ふみ
ふみ

労務管理は、スタッフが安心して仕事に打ち込める環境づくりです。

労務管理は労働関連の法律によって、決められています。

根拠となる法律を知っておくことは、

看護師長として説明責任を、自信をもって実施できます。

特に、毎日の実践で問題になる、時間外勤務や休憩時間の確保は、

黙認せずに、管理をしていきましょう。

有給休暇の取得や、妊産婦や子育て支援は、

スタッフを巻き込んで、みんなのワークライフバランスが充実するように、

職場風土をつくっていけるといいですね。

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