こんにちは、ふみです。
わたしは、看護師長として12年間、副看護部長として6年間、
看護部長として3年間、働いてきました。
毎日の看護管理のなかで、問題があることはわかるけど、
どこから手をつければいいか、
問題の原因を分析したくても、分析方法がわからない
と、立ち往生することが、よくありませんか。
前回は、情報を分析し、課題を抽出するための分析ツールとして【SWOT分析】を紹介しました。
今回は、SWOT分析とともに、よく使用される分析ツールとして【ロジックツリー】を紹介します。
認定看護管理者の研修(ファースト、セカンド、サード)の実践計画でも、よく使われるツールです。
要因を洗い出す【ロジックツリー】
「ロジック」とは論理、「ツリー」とは葉の茂った樹、が組み合わさっています。
上位階層から下位階層への論理展開を構造的に表します。
問題の原因や解決策を要素分解して整理する考え方です。
活用する視点は、以下の3つに分類できます。
問題の原因を考える WHYツリー
課題の解決策を考える HOWツリー
問題の実態を把握する WHATツリー
ロジックツリーの使い方と具体例
WHYツリー 原因を探る
問題の本質的な原因を明らかにするために、
「なぜ」や「どのような背景で」と問いかけを繰り返しながら原因を分解していきます。
例:転倒の原因分析
HOWツリー 対策や解決策を分析する
手段を考えるために、
「どのように」「具体的にどうするか」を繰り返し分解していくと、
解決するための方法が明確になってきます。
例:離職防止
WHATツリー 全体像を可視化する
構成を分解してわかりやすくします。
同じ階層の「枝」には、同じレベルの要素を書き出します。
複雑な問題やあいまいになっているものなどを整理して、全体像を把握することができます。
例:看護の核となる実践能力(日本看護協会のクリニカルラダーを参考に、ふみが独自に分析)
ロジックツリーを使うコツ
構造は上から下
全体を俯瞰するために、上位概念から下位概念に移動します。
大きなモノを小さく分解していくことです。
いきなり、下から始めると全体像が見えなくなってしまいます。
例えば、病院の看護単位を考えた時には、「病棟」と「外来」にまずは分けると思います。
次に、それぞれに、分類していくことができます。
いきなり「婦人科病棟」で、始めると、次の切り分けが難しくなり、モレも出てきます。
分岐を増やしすぎない
階層の分岐は3つから5つくらいがベストです。
たくさんに分解すると、複雑になり、全体像の把握が難しくなります。
また、ダブったりすることもあります。
MECEを意識する
MECEとは、Mutually Exclusive and Collectively の頭文字をとったものです。
意味は、各ことがらに重なりがなく、全体として漏れがない状態のことです。
もれなく、ダブリなく、するために、まず、対象範囲を決めておきます。
対象範囲があいまいな場合は、関係ないものが出てきます。
論理的に考える(ロジカルシンキングのトレーニング)
例えば、スタッフから「人がいないから忙しい」とよく言われます。
わたしの経験上、どこの職場でもよく言われています。
それって、他と比べて多く人員がいたとしても、本当に少なくても、配置に関係なく言われています。
そのときに、じゃあ、人を増やせばいいのかと、考えると、それだけでは解決しないと思います。
「忙しい」の本当の原因は何か。
例えば、
- 緊急入院が多い
- 経験の少ないスタッフが多い
- 医師の指示出し時間が偏る
など、いろいろなことが思いつきます。
それを、同じレベルなのか、上のレベルは何か、
と階層構造で考えることが、論理的に考えることになります。
毎日の管理のなかで、ツリー構造で考える習慣がつくと、ロジカルシンキングにつながります。
まとめ
分析ツールとして、ロジックツリーを紹介しました。
ロジックツリーは、問題の原因や解決策を、要素分解して整理する考え方です。
使い方は
原因を探るWHYツリー 「なぜ」や「どのような背景で」と、問いかけと繰り返す
対策や解決策を分析するHOWツリー 「どのように」「具体的にどうするか」を、繰り返す
全体像を可視化する場合はWHATツリー
使うコツは
・上位概念から下位概念に移動して、考える。
・分岐は3つから5つまで
・モレなく、ダブリなく
・普段から、ツリー構造で考える(論理的思考が身につく)
看護師長は、いろいろな問題に直面したり、スタッフからいろいろ言われたり 精神的労働です。
ムッとくることもありますが、ロジックツリーを使って、問題を分解すると、
自分が悪かったこと、自分の責任の範囲ではないこと、など、明確になり、
ちょっと冷静になれます。
ぜひ、日ごろから、考える方法として、トライしてみてください。
今回、参考にした本です。読みやすく、わかりやすく、お勧めです。
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