【看護師長による新人看護師の支援】定着と成長のために師長がやること

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看護師長のスキル
ふみ
ふみ

こんにちは、ふみです。

わたしは、看護師長として12年間、副看護部長として6年間、

看護部長として3年間の経験があります。

その間、たくさんの新卒看護師と一緒に働きました。

辞めたいと泣いていた新人も、今では立派なリーダーに育っています。

前回は、新人看護師が求めている支援を解説しました。

今回は、看護師長が自ら行う、新人看護師への支援を具体的に見ていきます。

参考にした文献は

高谷嘉枝(2011)新人看護師の適応促進を目的とした看護管理者が用いる支援方法の開発:UH CNAS, RINCPC Bulletin,18,91-106

この文献では、支援方法が妥当かを2年目の看護師にちゃんと確認していました。

新人看護師に対しての看護師長の支援は、以下の2パターンになります。

  • 看護師長自身が実施する支援
  • 看護師長がスタッフを巻き込んで、プリセプターやチームリーダー、副看護師長と一緒に行う支援

看護師長自身が実施する支援

新人の状況を把握します

新人はどんな傾向か

面接を実施して、以下を聞いてみる。

  • 今まであった困難に対してどのように対処したか
  • ストレス解消方法は

新人の表情を継続的に見ていく。

今までのストレス対処を参考に、休みの配慮や人間関係を調整する。

新人のキャラをありのまま理解

顔色や表情を見て、いつもと違うときは、声をかける。

ふみ
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「大丈夫」ではなく、

具体的に「顔色が悪いけど、どうかした?」 「何か困っていることがあるの?」

時間をかけて、よく話を聞く。特にメンタル面の話。

スタッフから新人のケアの仕方や患者対応などの情報を収集する。

看護師長自身でも、新人のケア場面を見るなど、スタッフの情報の真偽を確認する。

ふみ
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定期的に面接の機会を持ちます。

個人情報を守ることを前提に

  • 過去の生活習慣や生活体験を聞く
  • 今の日常生活を知る(眠れているか、食事はとれているかなど)
  • 友人や仲間との交流を知る
ふみ
ふみ

新人にかかわったほうがいいときを察知し、看護師長が対応するか、

他のスタッフに任せるか判断します

実力はどの程度か

社会人としての行動や、他者との対応の仕方を指導する。

学生時の学びの度合いを知るために、経験を確認しながら業務に参加させる。

指導指針やチェックリストを用いて、客観的に把握する。

面接で、現時点までの達成度を把握するのと同時に、疑問や悩みを聞く。

プリセプター体制を作ります

プリセプターを決める

プリセプターを選定する。

ふみ
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性格や知識など総合的に判断し、誰をプリセプターにするか決定します

プリセプターの経験年数を考慮し、期待を伝える。

プリセプターとプリセプティの関係を結ぶ

プリセプターの意見を聞き、合う新人を考える。

同じようなタイプではないマッチングも効果的な場合もある。

①おとなしい、感情の表出が下手そうな新人だったら、明るくてさっぱりしている先輩

②明るいけど、おおざっぱな新人だったら、じっくりタイプの先輩

③ハキハキして自ら問題解決できそうな新人だったら、どんなタイプの先輩でもOK

年齢や社会人経験の有無を考慮する。

出身の学校を合わせる。

プリセプターとプリセプティの組み合わせは双方に確認し変更する場合もある。

プリセプターとプリセプティの両方に、話ができているのか聞く。

プリセプターとプリセプティの両方が、お互いに受け入れているか確認する。

プリセプターとプリセプティの周囲を固める

プリセプターに応じて、アドバイザーをつける。

プリセプターだけではなく、教育委員やアソシエイト、副看護師長などでチームを組み役割分担する。

新人を直接、教育します

新人にケア・処置など見学、経験させる機会をつくる。

学習方法について効果的であるか判断し助言する。

ふみ
ふみ

新人は、どんなメモを作っているか、見せてもらいました。

他のスタッフのメモ作成方法など、具体的なアドバイスしました。

新人に対する患者からの評価を伝える。

受け持ち患者の人数を調整する。

夜勤業務を担当する時期を判断する。

ふみ
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夜勤を開始する時期は、看護部の方針もありますが、

プリセプターや副看護師長と相談して決めました。

「一人前になったら」という基準では、いつまでも夜勤ができません。

看護師長から、他のスタッフに支援をお願いすることも、必要です。

看護が専門職であることを示します

看護師長の看護実践を伝授

ケアの実践モデルとして、観察のポイントや危険予知などをアドバイスする。

新人が未経験の症状や状況を、機会をとらえて説明する。

看護師長の過去の臨床経験や看護観を伝える。

看護は専門職であることを伝える

この部署で学べることや専門性を説明する。

ふみ
ふみ

自分のキャリアプランや方向性を漠然とでも考えてもらえれば

新人にどのように育ってほしいか、看護師長の考えや思いを伝える。

新人が自ら伸びる力を見守る

成長はそれぞれに違うので、同期と比べないように言う。

他者と比べるのではなく、自分自身の成長を見るように言う。

それぞれの個性を大切にする。

看護師長としての覚悟を決める

最後は新人を守る。

新人の仕事を見届け、新人の仕事に責任を持つ。

新人が技術を習得するために、何回でもスタッフは協力するよう周知徹底させる。

職場環境を整えます

働きやすい職場環境づくり

新人ができるだけ話しやすい雰囲気を作る。

新人とスタッフの話を聞き、フィードバックする。

教育的な環境を整備し、学習できる環境を作る。

ふみ
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新人だけのためではありませんね。

スタッフみんなで学習することが大切ですよね。

疲労回復への配慮となるように、休みの調整や、休憩時間を確保する。

勤務表は公平を心がけ、勤務パターンを考慮する。

新人の個人情報を守り、必要なことのみスタッフに伝える。

人間関係が悪くなる前にかかわる。

ふみ
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微妙な雰囲気を察知することは、看護師は得意ですが

関わるタイミングは難しいですよね。

副看護師長さんにも相談してみてください。

時には、看護師長の権限を用いて、チームの人間関係を調整する。

新人を育てるチームづくり

各チームのメンバーには、指導ができる看護師を配置する。

新人同士で差が生じない均等な指導を受けることができるように指導者の調整をする。

チームの雰囲気が和やかになるようメンバーを考えてチーム編成をする。

スタッフの性格を考慮してチームメンバーを編成する。

ふみ
ふみ

プリセプターに任せるのではなくて、

チームを組んで、新人を育て、見守ることが大切

看護師長がスタッフを巻き込んで一緒に行う支援

新人の状況に応じた育成体制

指導者に、新人の状況を見極め、新人に求めすぎないように話す。

新人に無理のない妥協点を見つけるように伝える。

指導者の基準や経験で求めるのではなく、新人の状況や時期を常に考えるようにと話す。

新人によって覚え方もスピードも違うことを、指導者に理解してもらう。

新人の能力にあった指導を検討する。

新人が困っていること、その原因や状況を知る。

新人への評価やフィードバックは直接新人に伝える。

枠にはめず、新人指導はマニュアル通りには育たないことを理解する。

新人の状態をふまえ、無理な業務はさせない。

新人の気持ちを確認したり、疲労状況を見ながら、新人個々にあった調整をする。

新人自身の振り返りにより、新人とともに体験の意味を考える。

新人の話を聞く、待つ、分かち合う、受け止め、新人の成長を支える。

プリセプターの支援

プリセプター自身の成長を支援する。

プリセプターを認め、相談にのる。

新人への話しかけ方をプリセプターに具体的に助言する。

話しかけや回答が難しい新人のプリセプターには、具体的に教えることを助言する。

チームで団結

看護師長は新人育成が自分たちの課題であることを伝える。

皆で新人を歓迎し、応援する気持ちで、しっかりかかわる職場環境を整える。

新人の教育計画や、年間計画を定期的に確認し評価する。

簡単なものから難しいものへと段階的に覚えるように学習内容を工夫する。

成長を認め合う

新人ができたことをきちんと評価する。

新人のミスがなくなったことを褒め、新人の成長を認める。

頑張っていることへのねぎらいの言葉を言うように心がける。

スタッフが直接、新人を誉める。

新人がひとりでできるようになったことを、スタッフから評価として返す。

看護師長は、周りのスタッフに声をかけてあげてと伝える。

患者の評価を代弁して、新人に伝える。

患者ケアに関する評価をカンファレスの場で伝える。

新人の評価は明確にフィードバックする。

新人の居場所をつくる

新人をチームの一員として受け止める。

新人が自分の意見を述べられる居場所をつくる。

スタッフに新人のケアや行動を見守ってもらう。

新人が自信がない場合は、スタッフに一緒にケアに入ってもらう。

精神的サポート体制

ふみ
ふみ

新人だけではなく、お互いに気を配れる職場でありたいと願います

看護師長は、プリセプターたちに新人を息抜きに誘うように頼む。

スタッフを交えた息抜きをする。

ふみ
ふみ

今は、職場で宴会もできず、本当に、大変な時期に

新人看護師は頑張っていると思います

プリセプターたちの愚痴を聞いてあげられる看護師に依頼する。

プリセプターのストレスを理解する。

必要時は、看護師長やスタッフではない、第3者であるリエゾン看護師に協力を依頼する。

新人が役に立って、この場にいられることを実感できるように、やれるという感覚を持たせる。

自分の役割や力が発揮できると思わせる。

まとめ

新人が、自分の部署にうまく馴染んで、成長していくために、看護師長はプリセプターやスタッフに任せきるのではなく、自らやるべきことを見てきました。

  • 新人のキャラをつかみ、新人の今の状況や実力を把握します。
  • プリセプターシップを調整します。
  • ときには、師長自ら、看護ケアの手本となります。
  • プリセプターを支援するサポート体制をつくります。
  • プリセプター以外のチームメンバー全員で、新人を育てるために、団結します。
  • チームメンバー全員で、ひとりひとりの成長を認め合います。
ふみ
ふみ

新人の居場所をつくることで、安心して成長していけると思います。

それは、新人だけではなく、スタッフ全員にとっても、働きやすい職場になるはずです。

わたしの長年の経験から、どうしても、部署になじめない、新人看護師もいました。その場合は、まわりのスタッフも疲弊します。

そのときは、看護部長に相談してください。やるだけやっても、ダメな場合もあります。

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