【新人看護師の離職予防対策】新人看護師はどんな支援を求めているか

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看護部長の雑記
ふみ
ふみ

こんにちは、ふみです。

わたしは、看護師長として12年間、副看護部長として6年間、看護部長として3年間の経験があります。

その間、たくさんの新卒看護師と一緒に働きました。

辞めたいと泣いていた新人も、今では立派なリーダーに育っています。

でも、新人看護師の離職はなくなりません。

今回、文献をもとに、新人看護師がどのような支援を求めているのか、まとめました。

佐藤真由美(2010)新卒看護師の成長を促進する関わり:日本看護管理学会誌,14(2),30-38

この研究は2年目の看護師にグループインタビューを実施しています。

新人看護師の生の声から、支援を考えていますので、

新人看護師を担当しているプリセプターや教育委員さん

新人看護師の育成に責任をもつ、看護師長さんに役に立つと思います。

新人看護師はなぜ辞めるのか

新人看護師は「仕事ができない」「仕事を覚えられない」よりも、「部署になじめない」「社会人として変化する環境になじめない」ということが大きな離職理由となります。

  • 学生から社会人への移行
  • 期待と現実感のギャップによるリアリティショック
  • 組織社会化がうまくいかない :組織への新規参入者がその組織や仕事の価値観を理解したり、馴染んだりする過程に適応できない

新人看護師の課題

新人看護師の組織社会化がうまくいく

  • 職場の雰囲気になじめ、チームの一員として周囲との人間関係を良好に保てる
  • 仕事を徐々に覚え、メンバーとしてスタッフの支援を受けながら責任ある行動と安全な看護実践ができる

臨床実践能力を身につける

学生のときに学んだ、日常生活援助や診療に伴う援助を中心とした直接的な看護ケアにおいて、知識、判断、コミュニケーション技能、手順的技能が総合されたものに加え、看護業務を遂行する上での能率性を学ぶ

学生のときに学んだ看護技術を、現場で実践できるレベルにするために、

  • 判断
  • 報告連絡相談などのコミュニケーション方法
  • 複数の患者を受け持つための優先順位
  • ついでにやってしまう多重課題の処理

どのような支援が役に立ったか

ふみ
ふみ

では、実際にどのような支援がよかったのか8つ紹介します。

仕事の仕方を覚えるための支援

  • 日々の業務で必要な看護技術を一緒に実施する。
  • 実施場面を見せる。
  • ケア手順などのやり方を教える。
  • いろいろなパターンを見せる。
  • 経験する機会を作る。
  • 新人がちゃんとできているか評価する。

まさに山本五十六の名言

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」

スタッフを巻き込んで、学習が進みやすい環境を作る

  • 実施場面を見せるなどで安心感を与える。
  • 質問しやすい雰囲気をつくる。
  • 新卒と交流する機会をつくる。(振り返りの機会や交換日記)
  • 新卒看護師の立場を理解する。(かばう、焦らずゆっくりと)
  • 気持ちを聞く機会をもつ。(看護師長との面接とか、病棟の外での交流とか)
ふみ
ふみ

今は、コロナ禍なので、カフェでお茶もできないですが。

今の時点でのいいところや、努力していることを言葉で伝える

  • チームの一員として認める。
  • メンバーとしての役割を果たしてもらう。
  • 看護計画などの意見を求める。
  • 居場所があるという安心感を提供する。

看護師として自立を目指す手助け

  • 申し送りのときなどで、落としてはならない情報を教える。
  • 報告するときに、まず自分で考えることを勧めて考えさせる。
  • 考えて、わからないことは教える。
  • 的を射たことを言って、どうすればいいかに気づかせる。(回りくどい言い方は禁)

新卒看護師にとって、自分で考え気づくことが成長となります。

ふみ
ふみ

突き放すのではなく、看護師として自立を目指す手助けにつながる支援が重要です。

正しく行っているか確認し、状況に応じてフォロー

  • なんでもかんでもやらせるのではなく、留置針挿入は1年間はやらせないなど制限することも必要
  • 新人看護師の行動をよく見て、気づいたことをアドバイスする。
  • 状況に応じては、助ける。
  • 特に、急変時は優先順位を教えて、助ける。
  • 指示受けや点滴準備など、正しいか確認する。

先輩看護師は新人看護師の行動を確認して、ひとりで実施する際の安全弁として機能する必要があります。

ふみ
ふみ

わたしにも、怖かったけど、なんかあった時はいつも後ろにいてくれた先輩がいました。

モチベーションアップ

  • 一緒に喜ぶ。
  • 自分が新人だったころの話をして励ます。
  • 今後の役割などを伝えて、見通しを持たせる。
  • 叱ることで、仕事に対する気持ちを変える。
  • 改善点を指摘する。
  • でも、自尊心を尊重するために、ふたりきりの時や他の人にわからないところで。

社会のしくみを教える

  • 組織で働くために必要な接遇やルールなどを教える(集合研修で)
  • 医療チームの一員として身につけてほしいマナーや考え方を教える(モデルとなって)
ふみ
ふみ

わたしも、一つ上の先輩看護師から、新人歓迎会にGパンはだめだよと、言われました。今は、時代が変わりましたが。いろいろ、教えてもらったな。

役割モデルになる

  • ああなりたいと存在そのもので思わせる。
  • 存在や行動そのものを見て経験を積み重ねる。
  • 周囲のスタッフや患者・家族を含めた他者との接し方、態度などを含めた全部
  • 仕事上の報告や連絡・相談を誰にどのようにするのか

新人看護師のときに、あの先輩のようになりたいと思う看護師さんがいました。今でも、自分の原点です。

まとめ

このような経過を経験して、新人看護師は、組織や仕事の価値観、行動様式を学習し内面化し、馴染んでいきます。

日々の看護師が役割モデルとなって日々の看護実践を行う

認めたり、モチベーションアップしたり、

ときには、叱ったり、でも、他者のいないところで

新人看護師の居場所をつくり、安心して働ける環境

そのために、スタッフ全員を巻き込む

新人看護師にとっては、組織社会化の過程で成長を実感することが、仕事を継続していく原動力になります。

ふみ
ふみ

新人看護師が自ら考えて成長していける組織風土をつくることは、新人だけでなく、スタッフ全員にとっても働きやすい職場になるはず。

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