【新人看護師が1年以内に辞めるわけ】

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看護部長の雑記

新人看護師が、そろそろ、ひとりで患者を受け持ち、責任が重くなってくる時期ですね。それに、伴い、「辞めたい」と言い出しているスタッフもいるのではないでしょうか。

ふみ
ふみ

わたしが看護師長だったころに経験した、新人看護師の離職を思い出し、新人看護師が1年以内に辞めるわけを考えてみました。

経験した例

急性期が合わなかった

そのころは、急性期の外科系の病棟でした。手術目的の患者が多く、日々の変化も大きいため、病状の変化についていくのが難しかったようです。また、外科の処置も多く、覚えなければならないこともたくさんあります。

わからないことばかりで、毎日、勉強して、メモも作っていましたが、日々の業務ではメモを見る暇も、メモのどこなのかもわからない状態だったようです。今は、介護施設でがんばって働いているとの噂です。

期待と現実にギャップがあった

「わたしが求めていた教育体制ではなかった」と、言われて退職されました。一応、ラダーにそって、教育を実施していましたし、プリセプターシップも行っていました。

彼女にとっては、期待に合っていなかったのだと思います。彼女以外の新人看護師はその教育体制で育っていました。

部署になじめなかった

ゴールデンウイークを過ぎたときに、他の部署から異動してきた新人看護師がいました。前の部署になじめなかったようです。

そのときのわたしの部署は、30床程度の小さな病棟で、単科だったので、業務もスタッフも院内では余裕がある部署でした。新人に新たなプリセプターをつけて、ひとつずつ業務を指導しましたが、2週間経過したころ、突然、休みました。

最初は、体調不良と連絡がありましたが、そのうち、連絡がなく、心配して、私から連絡しても繋がらず。それが1週間続いたあとに、お父様が病院においでになって退職届を提出されました。

ふみ
ふみ

本人とはちゃんと話ができず、残念でした。

プリセプターとあわなかった

プリセプターはだいたい3年目の看護師が担当しています。看護師長として、毎年マッチングは悩みます。

新人看護師は、やや甘えん坊なところがあるタイプでしたが、ある日「プリセプターと合わない」と、訴えてきました。プリセプターは厳しいタイプではありません。ただ、プリセプターも初めての役割で気負っていたところはあったのかもしれません。新人はそのプレッシャーが負担だったようです。

新人看護師の意向を確認して、プリセプターを外しました。新たなプリセプターをつけることはせずに、中堅看護師や副看護師長が、その新人看護師の指導担当となりました。そのあとは、新人看護師はうまくいきました。

ふみ
ふみ

外したプリセプターのほうがショックを受けていたので、副看護部長にも協力いただき、プリセプターのフォローをしました。

新人看護師が1年以内に辞めた理由

組織社会化がうまくいかなかった

組織社会化とは新しく加わったメンバーがその組織に適応するプロセスと言われています。

集団に所属したら、その集団の目標を達成するために求められる役割があります。その役割を遂行するためには、必要な知識もありますし、チームを組むための規範や価値観を理解していく必要があります。そのプロセスを組織社会化と言います。

要は、部署の雰囲気になじんでいき、チームメンバーとして周囲の人と良好な人間関係をつくることです。仕事を徐々に覚えても、組織社会化がうまく行かないと、辞めたくなっちゃうのはわかります。

ひとつの集団で組織社会化がうまく行かなくても、他の集団ならうまく行く可能性もあります。

トランジションがうまくできなかった

ひとは成長していく中で、移行期に伴う環境変化があります。例えば、学校を卒業して進学するとき、就職するとき、就職したあとも異動や昇進など。

アメリカの心理学者ウィリアム・ブリッジスは、トランジション理論を新たなキャリアステージへの準備段階として定義しました。

  1. 何かが終了するときの「終わり」
  2. 中立な時期としての「ニュートラルゾーン」
  3. 何かを開始するときの「始まり」

学生時代が「終わり」看護師としての社会人生活が「始まり」ます。「変わりたい」と「このままでいたい」という両極の感情に揺れ動く不安定な状態から、新しい状況に向けて前進し始めるプロセスです。混乱や苦難の時期であるニュートラルゾーンを進んだ先に、新たな「始まり」の段階があります。

その折り合いが難しいと、リアリティショックとなり、考えていたことと違うとなってしまうのでしょうか。無理して進むより、一度、立ち止まることもいいのかもしれません。

離職率の呪縛

新人看護師の離職率は、日本看護協会が毎年公表しています。

離職率が低い病院は良いと評価されます。新人看護師の離職防止は重要な課題です。そのために、支援方法を充実させますが、時には、離職もやむを得ないと思っています。

新人看護師にとって、もう少し頑張れば超えられる壁なのか。それとも、組織社会化やトランジションがうまく行っていないのか。部署を変えるとか、すこし休むということも、新人看護師にとっては必要なのではないかと考えます。

ふみ
ふみ

離職率の呪縛にとらわれずに、いい方法を検討できると新人看護師にとっても、病院にとっても、いいなあと思います。

まとめ

以上、見てくると、「仕事ができない」から辞めたいよりは、部署になじめない、社会人として変化する環境になじめない、ということが大きなわけだと思いました。

よって、環境を変えてみるのも、ひとつだと思います。

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